7人制ラグビーのゲーム分析

―得点に着目して―

岡西 康法(大阪体育大学大学院)
梅林 薫(大阪体育大学)

キーワード:ラグビー,セブンス,ゲーム分析

Ⅰ.はじめに

2016年のリオデジャネイロオリンピックにおいて7人制ラグビー(以下 セブンス)が、男女ともに正式競技として採用されることが決まり、近年セブンスは日本国内で注目されるようになり、セブンスの大会が開催されるようになってきている。本研究は、男子におけるエリートチームのセブンスの試合を対象とし、ゲーム分析を行い、セブンスの特徴を明らかにし、戦術の確立や必要とされる体力要素等を検討することを目的とした。

Ⅱ.方法

IRBワールドセブンスシリーズの2009年南アフリカで行われた44試合、2010年オーストラリアで行われた44試合を対象とした。Windows Media Playerを用いてゲーム分析を行った。集計した項目は、試合のプレー時間、得点のエリアとトライのパターンである。

<試合のプレー時間>
試合時間は、Windows Media Playerのタイムカウンターを利用し、重要なプレーごとに時間を計測することとした。

<得点エリアの集計>
得点のエリア集計は、フィールドに見立てた集計用紙を作成した。トライとドロップゴールによって得点する直前のプレーがフィールドのどの地点で発生したかをプロットすることとし、自陣と敵陣の各ゾーンで生まれたトライの集計を行った。また、ペナルティーゴールを蹴った地点をプロットすることとした。統計処理は自陣と敵陣で生まれたトライ数にt検定を行い、5%水準を有意とした。

<トライパターン>
トライのパターンは、スペースを利用してランニング主体のトライとコンタクトプレーによってスペースを作りだしてのトライに分類した。4つの予選プールと4つの決勝トーナメントのトライのパターンについて集計した。統計処理は集計したトライパターンにχ2検定を行い、5%水準を有意とした。

 Ⅲ.結果と考察

<試合のプレー時間>
試合中に実際プレーが行われた時間は、前後半ともに約3分間であった。無酸素性エネルギー過程(ATP-CP系および解糖系)が主に求められていると推測される。

<得点エリアの集計>
この大会では、各チームがトライとトライ後のコンバージョンによって得点を獲得した。自陣と敵陣のトライ数を表1に示した。敵陣でチャンスをつくり、多くの得点を獲得している。206トライのうち22Mラインからゴールライン付近のエリアで98トライの起点となっていることから、そのエリア内にボールを運ぶことが得点につながる。その一方で自陣からも全体の約3割トライが生まれていることに注目する必要がある。

<トライパターン>
この大会では、ドロップゴールやペナルティーゴールを狙うプレーはみられなかった。すべての得点は、トライとトライ後のコンバージョンによるものであった。

セブンスの試合で得点するためには、ランニングスキルが得点に大きな影響を与えることが示唆される。

Ⅳ.総括

セブンスはゴールで3点を奪うよりも、トライとコンバージョンによって7点を奪うことを重視している。そのため、セブンス独自のアタックとディフェンスの戦術を考案することが必要である。戦術を効率よく実行するため、プレーヤーは、セブンスに適した専門的なトレーニングを行う必要がある。
表1

ページトップに戻る↑

Comments are closed.