ジュディシャル・サイティングシステムについて

宮島繁成(大阪弁護士会・近畿大学)

キーワード:ジュディシャル・オフィサー サイティング・コミッショナー 懲罰会議

■ジュディシャル・サイティングシステム
日本ラグビーフットボール協会は、2010年度のトップリーグからジュディシャル・サイティングシステムを導入している。ラグビーは激しい身体の接触があるため重大事故の危険が少なくなく、事故の撲滅は関係者の最大の願いでもある。また、危険なスポーツというイメージを払拭して競技人口を増やしたいという目的もある。IRB(現WR)は1996年から採用しており、2019年にはアジアで初めてのワールドカップが開催されることを踏まえてトップリーグに導入されたものである。

■手続き
サイティング・コミッショナーが、試合場もしくはビデオ映像によってチェックを行う。主な対象は、不正なプレーのうち、危険なプレーや不行跡とされる競技規則10.4所定の反則行為である。
サイティング報告があった場合、ジュディシャル・オフィサーを含む3名以上がパネルを構成する(懲罰会議)。
当該プレーヤーからのヒアリング、動画による確認等を行い、告知と聴聞の原則、代理人の立会、事実の認定等 司法類似の手続がとられている。
制裁内容はあらかじめ反則行為ごとに定められており、反則の程度によってさらにLower End(軽度)、Mid Range(中度)、Top End(重度)の3つに分類されている。いずれかを適用したうえで、加重・軽減事由を検討して、最終的な処分を決める。
タックルやチャージにかかわるものが多い。そのほか、殴打、膝蹴り、レフリーへの不行跡などもある。1~3試合の出場停止が多いが、10試合のケースもある。

■他の競技との比較
サッカーの場合は規律委員会と裁定委員会、学生野球は審査室が処分の審査を行っている。
ラグビーの制度は、第三者的専門機関が試合中のプレーを監視し、申告によって処分を発動させるという構造となっている。

■その他
レフリーの判定を覆すことはできるか。
日本スポーツ仲裁機構のスポーツ仲裁の対象になるか。
イエローカードが累積する場合。
対象となる試合。現在はトップリーグのほか、日本選手権、国際試合。
セブンズの場合。
複数のプレーヤーが原因を作っている場合の扱い。

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