トップリーグの観客動員の変化について

高津浩彰(豊田工業高等専門学校)岡本昌也(愛知工業大学)

キーワード:トップリーグ 観客動員 人気

【はじめに】
 2011年第7回のラグビーワールドカップが開催され、開催国のニュージーランドの優勝で幕を閉じた。大会は、世界から多くの人が集まり盛大な大会となった。日本において2019年にワールドカップ開催が予定されており、ニュージーランド大会同様に、多くの人々が世界各国から試合を観戦するために来日することが予想される。一方で、日本におけるラグビー人気はニュージーランドやラグビー先進国に比べると劣るものがあり、ワールドカップを迎える国として改善しなければならないことはたくさんあると考えられる。特に、収益のことを考えると、スーパー15においては競技場での多数の観戦者があり、人気もありチケットやグッズによる収益も得ている。日本においても2003年からトップリーグが行われ、日本における最高峰のリーグとして我が国のラグビーの発展に貢献してきている。しかし、その人気については、我が国の野球やサッカーに比べ劣っているのが現状で、スーパー15に比べても人気は格段の差がある。ワールドカップ成功のためにはラグビーの人気増加が必要不可欠なことであり、その策を考えることは大切なことである。人気の1つの指標として観客動員が考えられ、観客動員の増加は人気の上昇とも考えられる。
 本研究では、日本のトップリーグの観客動員の変化について調査し、人気の変化について検討する。なお、本研究では、観客動員が多いということは人気があるという仮定のもとで調査を進めた。

【方 法】
 2003年から2011年までのトップリーグの観客動員記録をもとに観客動員数を調べ、その変化について検討した。また、メイン会場(関西、関東)、地方会場の3つに分け、観客動員の調査も行った。

【結果と考察】
 観客動員の変化について図1に示した。

図1 トップリーグ観客動員数の変化

観客総動員数は、2003年の開幕から2005年まで減少し、
その後、緩やかではあるが増加している。

各会場の観客動員の変化について図2に示した。

図2 各会場の観客動員の変化
関東のメイン会場では2003年から2005年にかけて減少し、2010年までに開幕年と同じぐらいに回復している。関西メイン会場については、2005年まで減少しほとんど回復していない。地方会場については、年々増加している。

【まとめ】
 トップリーグの観客動員の変化について調査したところ、観客動員はトップリーグ開始当初よりも増加していることが示唆された。また、地方会場における観客動員数が増加していることが明らかになった。