ユーティライゼーションを利用したメンタルコーチング

高田正義(愛知学院大学)

キーワード:メンタルコーチング、実力発揮、ユーティライゼーション

【目的】
 試合直前にメンタルスキルの指導をするという性質上、短期間のメンタルトレーニングをメンタルコーチングという名称でアプローチしてきた。メンタルコーチングで必要とされる要因は、本番における「実力の発揮」であるといえる。選抜チームの持つメンタリティーを生かし(ユーティライゼーション)、選手が持っている本来の力をチームワークとして十分に発揮させる事が目的となろう。
 平成21年に引き続き、日本代表U○○のメンタルコーチングを行なった。今回は、前回の代表選手と比較しながら、今後の方向性を検討する。

【手続き】
日程:平成23年8月19日~21日
場所:A大学
対 象 者:日本代表選手22名

【結果と考察】
メンタルコーチングを始める前と後では、100%の選手が考え方や練習に変化があったと答えている。その内容は、「リラックスが出来た」、「集中できた」、「ノリが良くなった」などであり、プラスのエネルギーが発揮されやすい状態が作られていると言える。
図1 メンタルトレーニングの効果
図1 メンタルトレーニングの効果

図2 役に立ったスキル
図2 役に立ったスキル

役に立ったスキルは、目標設定、リラクゼーション、プラス思考などであった。今回の選手は、リラックスや集中力における効果を感じる傾向が顕著であると言える。

 今回の国際試合は、日本が開催国であった。そういう意味では、リラックスや集中力は維持できると考えられる。しかしながら、実際には緊張感が高く、集中力を欠いていた様な結果となった。前回と比較して今回は、日本協会が求める選手像が抽象的に伝達された印象があった。代表選手として強化する方向性をラグビーのスキルのみならず、精神的スキルでも一貫指導していく必要がありそうである。

【まとめ】
 短期間で実力を発揮させる為に、ユーティライゼーションというテクニックを使いメンタルコーチングを行なった。その結果、以下のことが示唆された。
1.タルコーチングを実施する前後では、100%の選手が考え方や練習に変化があったと認めている。
2.ラックスが出来た」、「集中できた」、「ノリが良くなった」など、プラスのエネルギーが発揮されやすい心理状態が作られている。
3.、ラグビー選手に求められるメンタルスキルは、目標設定、リラクゼーション、プラス思考であった。