鈴木 道男 (どんぐりラグビークラブ)
キーワード レフリング、生涯スポーツ、国際交流
【目的】 
日本発祥の「惑ラグビー」が世界に広まり、35歳以上~高齢者も楽しめるラグビーフェスティバルとして発展、1979年第一回ニュージーランド オークランド大会以来その人気の高まりと、開催都市への経済効果も期待されて発展してきた。2012年日本で初めて第19回大会として福岡市で開催され、その根幹となるゲームを安全に楽しく運用する独特で柔軟なレフリング運用を考察する。
【方法】 
ゴールデンオールディーズ・ワールドラグビーフェスティバル福岡2012年10月28日~11月4日までの期間にレフリー、選手として参加した。通常のラグビー協会主催のコンテストラグビーのゲームと異なり、これは幅広い年代、いろいろなスキルの参加者がエンジョイラグビーを楽しむものである。
(フェスティバル概要)
試合 3日間 (10月29日・31日、11月2日)
試合会場 三か所 (天然芝生グランド)10面
海の中道海浜公園        6面
鴈の巣レクリエーションセンター 2面
さわやかスポーツ広場      2面
参加者総数2,400名 海外 1,100名(17カ国)
国内 1,300名(九州600名)
平均年齢     60歳
試合数     106試合
レフリー  国内 77名 (九州協会70名)
海外 14名
パンツのカラー/ショーツ色規則に従って
タックルの可否を判断する。
| 年齢 | パンツのカラー | タックル | 
| 59歳以下 | チームのカラー | タックル可 | 
| 59歳以下 | 赤 | タックル不可 ホールド可 | 
| 60~64歳 | 赤 | タックル不可 ホールド可 | 
| 65~69歳 | イエロー | タックル 不可 ホールド 不可 | 
| 70~79歳 | パープル | タックル 不可 ホールド 不可 タッチ 不可 | 
| 80歳以上 | 特別ショーツ | タックル 不可 ホールド 不可 タッチ 不可 | 
ゲームレベルの設定(10段階)
| レベル | 目的 | ゲーム内容 | 
| 1 | コンテストゲーム | IRB競技規則 | 
| 2、3、4、5 | ある程度真剣な ゲームを目的 | ゴールデンオールディズルール | 
| 6、7、8、9、 | 楽しむ要素が強いゲームを目的 | ゴールデンオールディズの中核 | 
| 10 | プレー参加が目的 | 社交的ゲーム | 
【結果と考察】 
ポイント ①安全第一で進行する
②オールディズ精神
   ③参加者すべてがゲームを楽しむ
(試合概要)
・レフリーと試合前の打ち合わせを十分に行う。
・ゲームの目的を確認する。
・ゲームレベル 1~10段階の確認。
・ローカルルールの確認。
・カラーパンツ 「赤」以上のタックル制限。
・20m以上走るとパスをする。
・kick off再開は、トライしたチームが行う。
・スクラム、ラインアウトはノンコンテスト実施。
・レフリーが声をかけてゲームを円滑に導く。
・「ギミック」 ロングスクラム(フロント一人の後ろに7人が縦に一列に並ぶ)や、「ショートラインアウト」(膝をついて並ぶ)などの「遊び」を仕掛けるチームをコントロールする。
・対戦アレンジは、海外チーム対日本チームが主体、複数チームのコンバインド編成も多い。
・華やかな開会式でフェスティバルを盛り上げる。
・市内パレード、ウェルカムパーティーを楽しむ。
・各日程試合後は統一会場ファンクションで交流。
・正装、ディナーコース料理の閉会式。
・深夜までのダンスパーティーを楽しむ。
・チームや選手が記念品などのプレゼント交換。
柔軟なルール適用ですべての参加選手がボールを持って走る、パスをする、受ける、あたる、それぞれのエッセンスを楽しむことができた。ゲームと交流パーティーで国際親善、ラガーの友情を深めることができた。
【まとめ】
柔軟なレフリングを適用したフェスティバル開催で、新しい生涯スポーツのあり方を提案できた。また家族を含めた幅広い年齢層を取り込み、社会に貢献し、心豊かなスポーツ文化としてラグビー活性化につながる。
